「初診日がわからない」そんなときは?

障害年金はーとふる・ラボ 心 代表の栗澤です。

このブログをお読みいただき、ありがとうございます。

心より感謝いたします。

「障害年金を検討しているが、初診日がはっきりしない」というご相談をいただくことがあります。

通院歴が長期にわたっているかたや、複数の病院を受診しているかた、症状が軽くて通院間隔が空いていたなどにとって、「最初に病院にかかった日」を思い出すのは簡単なことではありません。

ですが、障害年金の手続きにおいて、初診日は非常に大きな意味を持ちます。

初診日とは?なぜそんなに重要なのか?

障害年金の制度では、「初診日」とは、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を指します。

そして、この初診日は、以下のような重要な判断基準となります。

・支給される年金の種類(障害基礎年金 or 障害厚生年金)

・障害年金の受給資格(保険料納付要件)を満たしているかどうか

・手続可能となる障害認定日はいつか。

たとえば、会社員として厚生年金に加入していた時期に発症した場合には障害厚生年金の対象となりますが、(どんなに会社勤めが長くても)初診日が退職直後、国民年金の期間だったとすれば、障害基礎年金の対象とされます。

また、初診日の時点で保険料を納めていなかったり、未納が多かった場合には、受給資格そのものがないと判断されてしまうこともあります。

また、「相当因果関係」の考えかたがカギになることもあります。

単純に、「いま現在診断されている病名での初診日」というわけではなく、障害の原因となった症状や病気と医学的に関連があると認められる過去の病歴があれば、それが初診日とされることもあります。これを「相当因果関係」といいます。

たとえば、現在は「うつ病」と診断されている方が、10年前に「不眠や食欲不振、意欲の低下」で心療内科を受診していたとします。

当時の診断名は「適応障害」だったとしても、その後の症状の経過や治療歴、医師の見解から「現在のうつ病と相当因果関係がある」と判断されれば、10年前のその日が「初診日」となり得ます。

逆に、似たような症状でも、医学的に独立した別の傷病と判断される場合には、それぞれに初診日があるとされます。

ここは非常に専門的で、主観的な記憶だけでは正確な判断が難しい部分です。

実際のところ、

「昔すぎて通院していた病院名も忘れてしまった」

「カルテが残っていないと言われた」

「転院を繰り返していて、自分でも整理がつかない」

こういったお声は少なくありません。ですが、だからといって障害年金をあきらめる必要はありません。

たとえば…

・健康保険の診療報酬明細(レセプト)の取り寄せ

・他院からの紹介状や診療情報提供書の確認

・通院記録や服薬歴、領収書などの間接資料の活用 など

弊所では、こうした事実整理や証拠収集の段階から、丁寧にサポートしています。

「この病気はいつからだったのか?」を明確にすることは、ご自身の生活の振り返りにもつながります。

初診日が不明な方や、記憶に不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら。

それでは今日はこの辺で。